藤井聡太四段と中田功七段の対局を見て思ったこと
昨日、7月6日に行われた、将棋の第76期順位戦のC級2組2回戦、藤井聡太四段と中田功七段の対局結果は藤井四段が勝利しました。
ネットでちらっと見ただけだったのですが、こうやってすぐにインターネットの動画中継を見て注目の対局をリアルタイムでチェックできるようになった今は将棋ファンにとって凄く良い環境だなと思います。
私は5歳のときから将棋を始めて、高校生のときは将棋部だったこともあり、将棋に対する情熱は結構実はあるんです。
起業してからは、だいぶ将棋から離れていてはいたんですけど、インターネットの動画サイトが普及して、将棋の対局が生中継されるようになって、情熱が再燃した感じです。
藤井四段は7月2日の竜王戦決勝トーナメントで佐々木勇気五段を相手にデビュー以来無敗の状態での30連勝をかけた対局を行いましたが破れ、今回の順位戦の対局に望みましたが連敗することなく30勝目を挙げました。
順位戦は将棋の最高峰のタイトルである名人のタイトルをかけて争う名人戦の一環となるリーグ戦です。およそ1年にわたってA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組とそれぞれのリーグ戦を行い、A級1位の人が名人に挑戦します。
B級以下の上位の人は上のリーグに上がることができ、下位の人は降格になるという厳しい戦いです。藤井四段は今期から初の順位戦に参加するので一番下のC級2組からのスタートです。
このC級2組の成績上位2人がC級1組に上がることができるのですが、通常C級2組で成績上位2人に入るには10戦中全勝するか、良くて1敗か2敗くらいの成績である必要があります。(過去数年の状況を見ると9勝1敗ならほぼ昇格できますが、8勝2敗だと厳しいようです。)
最高でも1年で1階級ずつしか昇格できないので、名人になるためにはC級2組→C級1組→B級2組→B級1組→A級と5つのリーグで上位になった上で、現名人と名人のタイトルをかけた7番勝負に勝つ必要があるので最低でも5年かかるというわけですね。
今、藤井さんは14歳ですが、すべてのリーグを1期で昇格して、名人に挑戦して勝利すれば19歳での名人になれるわけですが、それは非常に難関であると言えます。だからこそ、今回の勝負は特に藤井四段にとっては負けられない戦いです。
無事に勝つことができて良かったですね。対戦相手の中田功七段はプロ棋士には珍し三間飛車という戦法を得意とする方で、コーヤンというあだ名があります。現名人の佐藤天彦さんの師匠でもあります。
昨日は1日仕事で将棋は全然チェックできていなかったのですが、夕食どきにちらっとAbemaTVを確認したら、中田七段がやや優勢か?という判断でした。
正直、中田七段よりは藤井四段のほうが強いんじゃないかなと感じていたのですが、プロの世界は厳しいな。藤井四段が連敗しちゃうのかなと思いましたが、終わってみたら藤井四段が勝っていました。
対局終了後のインタビューで中田七段が「三間飛車をやる棋士は私しかいない」と言っていたのを見て、なんか負けたけどかっこいいなと感じました。
プロの将棋の対局とインターネットって、とても相性がいいんですよね。というのも、プロ棋士の将棋の対局というのはとても長時間におよびます。テレビで放送するのはかなり現実的に難しいのですが、ネット放送であれば生中継が比較的しやすいのです。
昨日の順位戦もニコニコ動画とAbemaTVの両方で生中継が行われていました。
最も盛り上がった藤井四段の連勝がストップした『第30期竜王戦決勝トーナメント 藤井聡太四段 対 佐々木勇気五段』(7月2日放送)はAbemaTVの延べ視聴者数は1242.5万人、ニコニコ生放送の同番組の来場者数は約88万人(7月7日現在)でしたので、藤井四段の注目度が凄いのはもちろん、それをインターネット動画で公開することによって、こんなにも注目する人が多いのですね。
凄い可能性を感じました。AbemaTVがこんなに視聴者を集めているんだということも驚き。これまで将棋の生中継といえばニコニコ生放送が主流だったと思いますが、AbemaTVも面白いですね。
ニコニコ動画にくらべて、番組構成もかなり見比べてみると違うように思いました。AbemaTVの方が丁寧に初心者向けに解説していて、かつ解説の棋士の先生も長時間放送の場合は複数いて、予算ありそうだなという感じです(笑)
ニコニコ生放送のコメントが飛び交う2ちゃんねる的な雰囲気も、そういう雰囲気が好きな人もいるのでしょうが、テレビ的に放送に集中したい人はAbemaTVの方が抵抗なく見られそうですね。
でも、ニコニコ動画もドワンゴ(カドカワ)が主催の新タイトル戦である叡王戦も今年からスタートして頑張っています。そのうち、AbemaTV(サイバーエージェント)主催のタイトル戦もできたりするかもしれませんね。
あるいは既存のタイトル戦を新聞社からサイバーエージェントが買い取るとか、そういう展開もこのAbemaTVの将棋番組の勢いを見ているとありえるのではないかと感じました。