モリヤ書房

大学卒業後、一度も就職することなくフリーランスになったWebマーケッターである私が日々学んだこと、考えたこと、伝えたいことをシェアします。書籍紹介記事多め。

「モチベーション革命」を読んでみたので感想を書いてみる

Kindleunlimitedに申し込んでみたら、予想外に便利なのでKindle本を読みまくっています。
KindleunlimitedというのはAmazonのサービスで月額980円でたくさんのKindle本が読み放題になるというサービスです。
 
最近、良い本だということで何度か耳にした「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」という本も読み放題の対象になっていたので読んでみました。





「モチベーション革命」は平成生まれの人が対象の本なのか?

「モチベーション革命」は、「稼ぐために働きたくない!」という若い世代の人に向けた本のように感じました。

「乾けない世代」という言葉で、この本の著者の尾原さんは表現をしていますが、「出世するため」「お金のため」「モテるため」など、なにか目標に向かって仕事やビジネスを頑張って成功するという生き方ではモチベーションが持てない世代が、今の30代よりも下の世代の価値観としてあるようです。

年代で言えば1988年以降に生まれた人ですね。平成生まれの人と言い換えてもいいでしょう。

生まれたときから「ないもの」がなくある意味満たされた世代であり、「ないもの」を埋めようとして稼いだり成功していくハングリー精神が少ない世代だと言えるかもしれませんね。

神田昌典さんの提唱したポケモン世代

先日、神田昌典さんの講演会に行ったときに「ポケモン世代」という言葉が出てきました。その人達に共通するものを感じました。ポケモン世代というのは1980年台後半以降に生まれた人たちだそうです。

落合陽一さんや、メタップスの佐藤航陽さんなど今後日本を牽引していくような、勢いのある起業家・経営者候補の人たちは1980年台後半生まれの人が多いそうです。

その人たちは、当時ゲームボーイで発売された「ポケモン赤・緑」が発売された当初に小学生くらいだった人たちですね。私も1983年生まれですがポケモン赤・緑は中学生の頃に遊んでいて、ギリギリポケモン世代と言えるかもしれません。

私自身は、ちょうどこの「乾けない世代」と「乾いている世代」の合間くらいに生まれていると思うので、上の世代の成功に向かって突き進んでいくハングリー精神の考え方もわからなくはありませんし、そういう面もあります。

一方で、「乾けない世代」のハングリー精神だけだとモチベーションにつながらないよねって考え方も共感できるところがあります。なんだかどっちつかずな感じではありますね。

そもそも、この「乾けない世代」の人たちの生き方として、どのように生きていくのが幸せなのか?

その提案をしてくれたのが、「モチベーション革命」でした。

正直、私がその2つの世代の狭間の人間なので、「分かるような分からないような」という、何とも気持ち悪い感覚に読み終わったあとになりました。

人間の幸せとはなにか?

人間の幸せというのは「快楽」「没頭」「良好な人間関係」「意味合い」「達成」という5つの要素の組み合わせによって、成り立っていることが、アメリカ人の心理学者で「ポジティブ心理学」の第一人者であるマーティン・セリングマンが提唱しているそうです。

「快楽」と「達成」は、上の世代の人たちが重視している幸せの上限で、「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」を重視するのが今の若い世代「乾けない世代」の特徴なのだそうです。

そんな、「乾けない世代」が主役となっていくこれからの世の中の変化に対応していくためには、どんな生き方があるのか?

そのヒントは、「強み」を掛け算するチームを作ること、そして自分自身の「好き」なことに没頭していくことで、自分のアウトプットが世の中に「新しい意味」を提唱していけるようになると、幸せに生きれますよという話でした。
 
そのためのツールとして、ストレングスファインダーや偏愛マップ、自分のトリセツといった考え方が紹介されていました。

好きなことを仕事にするのは難しいか?

やっぱ、そうだよなーって感じるところもありつつ、「好きなこと」に没頭して、それを仕事にするまでの道のりは人によっては決して楽なものではないかもしれない。

好きなことをやって、強みを伸ばして、それを仕事にしていけば幸せになれるっていうのは確かに事実なんだけど、「好きなことをする」ということから「好きなことで生きていく」までを埋めるステップは、この本だけでは不十分な気はしました。方向性としては合ってると思うんですけどね。

「モチベーション革命」という言葉から、モチベーションが上げて目標を達成するにはどうしたらいいか?
というような話なのかなと思ったのですが、そもそもそういう考え方自体が旧世代の考え方だったようです(笑)

「今すぐに好きなことで生きていく」という状態まで持っていけない人も多いと思いますが、そういう人もライスワークとしてお金を稼ぐための仕事はやりつつも少しずつ「好きなこと」に没頭をして、自分の時間を取り戻していくことが意義ある挑戦になるのは事実でしょうね。

以前紹介した「ソース」の本も、そのためのヒントになると思います。

blog.shinichiromoriya.com

お金を稼いで生活費は確保しよう

最後に「新社会人」の人へのアドバイスとして

『好きなことで生きていく前に、まずは自分が食べていける足場をきちんとつくること。そこからじっくり時間をかけて、「ライフワーク」を磨いていけばいいのです。』

という一言が書かれていたのは好感が持てました。

やっぱり、足場をきちんと作ることなく夢を追っている人もたまに見かけるけど、それは非常に危ういというか、逆にお金の面で非常に困ってしまう可能性が高いと思う。ウェルススペクトルで言うと赤外線の人たちのこと。

ウェルススペクトルの理論では収入から支出を引いた金額が毎月マイナスになる人を「赤外線の状態」と定義します。
赤外線の状態からは一刻も早く抜けるのが健全です。

好きなことがあって、そこに向かって全力投球を若いときからできるならそれは素晴らしいことだし、そういう生き方もありだけど、いきなりそのステージに立てる人は少ないと思うんですよね。

私だって、就職しないで好きなことはやっていたと思うけど、お金のためにやっていた仕事だってあったし、それはそれで良かったんだと思う。

とはいえ、ずっと会社で働いて定年まで会社員を続けるという考え方は今後は通用しなくなっていく可能性は極めて高いし、ライフシフトということで寿命がどんどん伸びて、退職したあとの長い人生をどう生きていくか?に悩む人は増えてくるでしょう。

そんなときに、自分の好きなことを明確にし、その好きなことを土台に得意なことを伸ばしていき、仕事を自分自身で作っていけるというスキルは幸せをつかむための大きな武器となります。

そこに気づけてない人もたくさんいると思うので、そういう人たちに方向性を見出すきっかけを与える1冊という意味で「モチベーション革命」は意義ある内容なのかなと思いました。

Kindleunlimitedでは無料で読むことができるので、読んでみるとインスピレーションを得られる人は多いと思います。特に30代以下の人は今後の方向性がこれでいいんだって、自信を持てるきっかけになるかもしれません。

Kindleunlimitedの読み放題対象になってます。初月無料なので、まだ体験していなければ体験してみる価値はあります。