ダンテの神曲をまんがで読んであらすじと内容を知って思ったこと
10円で買った「神曲 ─まんがで読破─(ダンテ著)」を読んでみました。
なるほど、漫画なので1500ページくらいある原作が嘘のように、簡単にあらすじと内容が理解できました。
もちろん、原作に比べたらめちゃくちゃ薄い理解だと思いますが、どういう話なのかというのを知ることは一応できたので、読んで良かったと思います。
その上で、あらすじと内容を知って思ったことがあったので感想をまとめておきます。
神曲の読み方とあらすじ
ちなみに、神曲は「かみきょく」と思わず読みたくなりますが、「しんきょく」と読むのが正解です。
13世紀から14世紀にかけてのイタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリの代表作になっています。
イタリア文学最大の古典とされ、世界文学史にも重きをなしているとウィキペディアに書いてありました(笑)
地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成るのですが、まんがで読破バージョンは、この3部作を全部1冊で描いています。
なんと主人公は著者本人であるダンテ。
ダンテは最愛の女性であるベアトリーチェを若くして亡くしてしまい絶望します。
このベアトリーチェはダンテが実際に幼少の頃に会って、若くして亡くなった実在する女性がモデルであるという説もあるようです。
絶望したダンテは人生の道を見失い、迷いの森に入りこんでしまいます。
そこで、古代ローマの詩人ウェルギリウスに導かれて死後の世界である地獄、煉獄、天国を案内されるという話です。
死後の世界でさまざまな体験をしながら、自らの生きる道を探し出していきます。
神曲の名言
まんがで読破版の神曲を読んだ中で印象に残った名言があります。それが、
「怒りや不満を持つことが罪になるわけではない。それにどう向き合うかが重要なのだ。」
の一文。
怒りや不満に我を忘れて他人を傷つけた者たちの地獄を訪れたときに、ウェルギリウスが言った一言。
地獄に落ちた人たちは、地獄でも互いを傷つけ合い争っていました。
でも、人は怒りや不満を持つからこそ、それを改善して世の中を良くする行動をとることもできます。
同じ怒りや不満を持っても、それを世の中を良くする行動に変えるか、他人にぶつけて迷惑をかけるかでは大違い。
そのどちらも選択できるということが、この名言から感じられました。
神曲の地獄篇、煉獄篇を漫画で読むと・・・
原書の日本語訳版では約1000ページ程度になるであろう、神曲の地獄篇と煉獄編ですが、まんがで読破バージョンだとすぐに読み終えることができてしまいます。
その分、大幅に文字が削られているわけですが、生きているときにどんなことをしたら、どのような地獄に行くのかが地獄篇では書かれています。
そして、いつまでも苦しみを味わい続ける地獄に対して、苦しみはあるものの、苦しみを受けることによって浄化されてく世界を描いた煉獄編。
悪いことをしてはいけないというメッセージと、悪いことをしてもそれはあとから償うことができる。
というメッセージがそれぞれあるのかなと感じました。
本当に、各エピソードがさらっとしか描写されないので、神曲の魅力はざっくりとしか伝わってきていないのかもしれません。
そういう意味では、内容を知るためにまんがで読破版を読むのもいいですが、さらにステップアップして原書の翻訳版だったり、その解説本を読んでみると、より深く神曲を楽しめそうです。
まずは、漫画で読んでみたいならこちら(今ならKindle版は10円で買えるセール中!)
読む順番(簡単な順番)としては、
マンガで読破→やさしいダンテ<神曲>→原書翻訳版
にするのがスムーズそうですね。
マンガを読んで興味を持ったら、もっと深く分かる本を読んでみるのも面白そう。
なかなか読む機会のなかった名作の内容をマンガで読破版で知ることができて良かったです。