【書評】デジタルマーケティング見るだけノート
デジタル施策の基本と最新トレンドが2時間でわかる!
と書かれた帯のキャッチコピーに惹かれます。
私自身、個人でのインターネットビジネスを始めて、今では企業のWEBマーケティングを担当する立場でもあります。
そんな私から見ても興味深い一冊だなと感じました。
ひととおり読んでみたのでざっとまとめと感想を書いてみます。
WEB担当者におすすめの書籍
まず、本書は企業のWEB担当者にとっておすすめできます。
デジタルマーケティングにおいて使われるキーワードが一通り網羅されています。
デジタルマーケティングの定義、基礎、トレンドや仕組みなどの解説。
さまざまな企業のデジタルマーケティングの事例。
カスタマージャーニー、オウンドメディア、SEO、リスティング広告、リマーケティング、WEBライティングやWEBデザイン、各種SNSマーケティング、CVRを上げる考え方、ビッグデータ活用、CRMの導入、MA(マーケティングオートメーション)、AI×5Gなどなど。。。
扱うテーマは多岐にわたります。
すでに取り組んでいること、まだ取り組んでいないこと、それぞれをざっとまとめてチェックできるのは便利です。
1つ1つの解説は浅め
デジタルマーケティングのさまざまなテーマが扱われている反面、1つ1つの解説はやや浅めだと感じました。
本書を読んで、じゃあ具体的にどうやって事業に活かしていくかを明確にすることは難しいでしょう。
デジタルマーケティングの全体像を知った上で、興味のある分野についてさらに調べて掘り下げていくことをおすすめします。
デジタル時代の消費者の行動モデル「AISARE」
広く浅く扱っている1冊ではありますが、おそらくすべてのキーワードを詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
例えば、デジタル時代の消費者の行動モデル「AISARE」が紹介されていました。
このキーワードは本書で初めて知りました。
もともと、消費者が行動するときは「AIDMA」のモデルがあると言われていました。
A:Attention(注目)→これ、なんだろう?と認知する。
I:Interest(興味)→面白そうだなと興味を持つ
D:Desire(欲求)→欲しくなってくる
M:Memory(記憶)→記憶して買おうかどうか検討する
A:Action(行動)→実際に購入する
このモデルを土台にマーケティング施策をしていきます。
しかし、インターネットが普及した時代にはこのモデルに変化があり、「AISAS」のモデルが考案されました。
AIDMAとどんな違いがあるかというと、「検索」「共有」の行動が加味されているのです。
A:Attention(注目)→これ、なんだろう?と認知する。
I:Interest(興味)→面白そうだなと興味を持つ
ここまではAIDMAモデルと一緒です。
しかし、その続きが違います。
S:Search(検索)→インターネットで調べてみる
A:Action(行動)→実際に購入する
S:Share(共有)→良かったものを、ほかの人にも教える
つまり、インターネットで探せるようなリスティング広告やSEOなどの検索エンジン対策が重要性が高くなってきたという理論です。
しかし、この概念だと消費者の口コミで一時的に売上が増加する部分までしか見込めません。
そこで新たに考案されたのがAISARE(アイサレ)です。
AISASの最後のS(共有)がRepeat(リピート)とEvangelist(伝道者)に置き換わります。
一時的なヒットではなく、消費者が同じ商品をずっと継続的に購入しながら、その魅力を熱意を持って周囲に広げてくれるファンを獲得する必要がある。
そんな、変化を表現したモデルです。
Appleの商品であるiPhoneやMacなどは、まさにこのAISAREのモデルが機能しているといえそうですね。