【書評】新デジタル時代で勝つためのヒューマン・マーケティング戦略
ダイレクト出版の月刊ビジネス選書に数年ぶりに申し込んでみました。
というのも、新刊の「新デジタル時代で勝つためのヒューマン・マーケティング戦略」の本が気になったからです。
本書で扱っているテーマは、とても興味深いもので、「もっと知りたい!」と思えるものでした。
そんな、ヒューマン・マーケティング戦略についてお伝えします。
ヒューマン・マーケティング戦略に書かれていた衝撃の一言
本書には衝撃的な一言が書かれていました。
「セールスファネルは死んだ」
この一文です。
セールスファネルは顧客がどのような道筋を通って自社の商品を買ってくれるかを示したものです。
まずは、ブログやSNSに訪れて無料プレゼントに申し込み、そのあと低額のセミナーに申し込み、そのあと高額の講座に申し込む。
といった、顧客がたどる流れのことをいいます。
そんな、従来であれば常識とされていたマーケティング手法をヒューマン・マーケティング戦略では否定します。
今や、顧客はさまざまなところから商品のことを知り、それぞれの都合によって購入をするので、セールスファネルの設定は意味がないというのです。
とはいえ、ビジネスを存続させていくためには売上は必要です。
どのようにして売上を維持拡大していくのか?
そのための戦略が今後変わっていくということなのです。
ロイヤリティが希薄になった世界に適応するための3つの重要な戦略
では、そんな変わりゆく時代に私たちは何をしていけばいいか?
3つの戦略が提案されていました。
1.真のロイヤリティを持つ13%の顧客を特に大切にする
ヒューマン・マーケティング戦略の中で大切なことは、買う前よりも買ったあとの顧客のことを大切にするということ。
買った人も、全員が協力的なわけではありません。
特に、協力的な顧客というのは全体の13%程度だというのです。
ずいぶん少ないなと思われるかもしれません。
では、あなたはその13%の人の名前を挙げることができるでしょうか?
顔を思い浮かべることができるでしょうか?
まずは、上位13%の大切にすべき顧客を見極めて、そして優遇していきます。
新規集客がどんどん難しくなっていく中で、何度も購入してくださるお客さんや、ほかの人に口コミを広めてくれるお客さんの存在が重要になってくるのです。
そういった人が誰なのかを事業者が知っておくことは武器になります。
その、上位13%の優良顧客にどんなことができるのか?
手紙を送る、気にかけていることを示すメッセージやSNSのコメントをする、特別な割引キャンペーンやイベントへの無料招待を行う・・・
などなど、顧客から見ても「気にかけてくれてるんだな」「特別扱いされてるんだな」とわかってもらえるようなコミュニケーションをしていけるといいですね。
2.消費者が購入を検討するときに真っ先に頭に浮かぶブランドであり続けるためのマーケティング活動を優先的に行う
新規集客をしなくても良いわけではありません。
新規顧客の全員がリピートするわけがありませんから、ある程度は新規集客をしないとビジネスは行き詰まってしまいます。
そんな中、マーケティング活動としては「今すぐ買う」という人でなくても、記憶に残しておけるような存在になることが大切です。
SNSやWEBサイトを通じての継続したメッセージの発信をしていくことはもちろん、その内容も相手の記憶に残るものにしていきたいものですね。
3.推薦、口コミ、ソーシャルメディアへの投稿、紹介、レビューなど販売後に行われる消費者主導のマーケティングを重視する
これまでのビジネスでは購入前の顧客に対して広告を見せたり、メールやSNSを通じて信頼関係を構築して購入に結びつけることが重視されてきました。
今後、その流れがすぐに無くなるわけではないでしょうが、そうではない口コミマーケティングの重要性が増してくるようです。
そのために、商品購入後に推薦をしやすいキャンペーンを行ったり、仕組みを導入して、消費者主導で行われるマーケティングが機能していくようにすることが大切です。
紹介したくなるような商品やサービスを用意して、紹介しやすいような形で展開をしていくと広まりやすくて良いですね。