モリヤ書房

大学卒業後、一度も就職することなくフリーランスになったWebマーケッターである私が日々学んだこと、考えたこと、伝えたいことをシェアします。書籍紹介記事多め。

ゆとり世代は日本を救うのか?

平昌オリンピックも閉会式を終えました。
日本選手の活躍を毎日楽しみにしていた方も多いと思います。
 
私も普段テレビはあまり見ないのですが、オリンピック期間中は結構気になってチェックしていました。

そんな中、今回オリンピックで活躍した羽生結弦、高木美帆がともに1994年生まれの「ゆとり世代」であり、ほかの活躍しているアスリートにも同年代の人が多いという記事を読んだ。
dot.asahi.com

「ゆとり世代」というのは、授業時間と教科内容が削減された学習指導要領、いわゆる「ゆとり教育」のカリキュラムで小中の学校生活を過ごした世代を指し、1987年4月2日から2004年4月1日生まれが該当するとのこと。

たしかに、この世代ってアスリート以外にも活躍している人が多い気がします。

例えば起業家では・・・



SHOWROOMの前田裕二さん(87年生まれ)、メタップスの佐藤航陽さん(86年生まれ)、落合陽一さん(87年生まれ)などがゆとり世代にあたります。

佐藤航陽さんは厳密に言えば、ゆとり世代からは外れますが、1年の違いなので、ほぼゆとり世代とも言っていいですよね。

将棋棋士だと、現在名人である佐藤天彦さんが88年生まれ。これ以降の世代の棋士はタイトルを獲得したり、タイトル挑戦者になったりと、活躍している棋士が多い世代です。

1987年以降に生まれた棋士でタイトル獲得もしくは挑戦者となった棋士は、広瀬章人さん、中村太地さん、稲葉陽さん、糸谷哲郎さん、豊島将之さん、菅井竜也さん、永瀬拓矢さん、斎藤慎太郎さん、千田翔太さんなどがいます。

今度、叡王戦の挑戦者になる高見泰地さんも93年生まれ。昨年から話題の藤井聡太さんも2002年生まれでギリギリゆとり世代です。

アスリートや将棋棋士ですと、幼少期から競技に集中するので10代から20代前半くらいで頭角をあらわして来る人も多いものと思います。

ビジネス界では、それより少し遅れてある程度社会経験を積んだ20代後半以降から活躍していく人が多いはず。

すでに80年代後半生まれの起業家が活躍しはじめていますし、今後もさらに活躍する人が増えてくる可能性がありますね。

そう考えると、2年後の東京オリンピックあたりで活躍する世代というのは、ゆとり世代の選手が数多くいることが予想されるので、さらなる活躍が期待できますね。
東京オリンピックまでの日本は、なんだかんだ言って、経済的にも盛り上がっていくことが予想されます。団塊ジュニア世代と言われる人たちの消費のピークがちょうど今の時期にあたるので、だからこそ今は比較的景気は良いですよね。

一方で東京オリンピックが終わってからの日本は大きなイベントを終え、少子高齢化はさらに進み、さまざまな問題が表に出てきます。

どういう問題が起きてくるかは、「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)」の中で詳しく書かれています。これは一読の価値がありです。

なかなか大変な時代になりそうですが、そこを切り抜ける力を持ったリーダーがゆとり世代の中から誕生してくる可能性が大かもしれません。

まさに、「ゆとり世代が日本を救う」のかも。

では、「ゆとり世代」の人はなぜ活躍するのか?

冒頭で紹介した記事によると、個人を尊重し、子供の頃から好きなことに取り組み、主体的に考え自ら学ぶ人間を育てることを目指したのが「ゆとり教育」だとのこと。
さらには、「完全週休2日制の導入」が2002年以降に実施されたのも大きな理由だそうで。

つまり、学校で勉強していた時間にほかのことをすることによって、ずば抜けた能力を持つ人が出てきたと考えられます。

主体性や目標がある人にとっては、「ゆとり教育」がプラスに働き、学校での勉強以上に価値あることに時間を使うことで実力を伸ばせたのでしょう。

一方で、学校の勉強が減ったことで、その分遊ぶ時間が増えたという子供に関しては、その後プラスの効果が果たして出たのだろうか?

検証できていないので何とも言えませんが、あまりプラスに働かなかった人も多いのではないか?

結局、「ゆとり教育」によって卓越した人材が増える一方で、格差も開いていくということになりかねない気がします。

これからの日本が抱える問題に立ち向かうために、偉大なリーダーが登場することは喜ばしいことです。「ゆとり世代」の中からそういった人たちが登場する一方で、近年の「脱ゆとり教育」によって、平均的な学力は向上していく可能性が高いですよね。

ゆとり教育→脱ゆとりという流れは、今後の日本にとって優秀なリーダーを生み出すきっかけを作り、その後優秀なリーダーが生まれる確率は少し減るけど平均的に優秀な人は増えていく。

ということになり、意外と良い教育政策が結果的に実施されてきているのではと、ゆとり世代が活躍している記事を読み、いくつかの業界で活躍している人たちを見て感じました。

私は1983年生まれで、ゆとり教育がちょうど始まり始めたくらいのときに義務教育を終えています。土曜日も完全に休みにならず、第2、第4土曜日だけ休みになったという時期があった世代です。

ゆとり世代の卓越した人からは、年下であることを気にせずに積極的に学び、より良い関係を築いていきたいものです。