モリヤ書房

大学卒業後、一度も就職することなくフリーランスになったWebマーケッターである私が日々学んだこと、考えたこと、伝えたいことをシェアします。書籍紹介記事多め。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を無料で読んだので要約と書評を書いてみる。

山田真哉さんの著書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか 身近な疑問からはじめる会計学』の書評を今さらながら書いてみたいと思います。

以前読んだことあったのですが、だいぶ内容を忘れてしまっていました。Kindle Unlimitedで無料読みができることが分かったので、改めて読んでみたのです。

2005年に発売の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』ですが、会計学を扱った著書としては異例の160万部の大ベストセラーになりました。

分かりやすい切り口と気になるタイトルが売れた原因でしょうね。

さおだけ屋って、なんで潰れないのかって知らない人にとっては謎だと思います。

その疑問をタイトルに入れて、気になる内容に仕立て上げた1冊になりました。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の要約

そもそも「さおだけ屋はなぜ潰れないか?」というのは、本書の最初の章であるエピソード1のテーマになっていることです。

この章は企業の売上と経費の話がメインテーマになっていました。

それぞれの章によって、会計学的なテーマが設定されていて、それを身近な疑問を題材にして疑問を明らかにしながら会計についても学んでいくという形式です。

第2章は「ベッドタウンに高級フランス料理店の謎」として、ベッドタウンの中にある高級なフランス料理店がテーマに挙げられています。

住宅街の中にたたずむ、あまりお客さんが入っていなさそうな高級フランス料理店。

著者は、このお店やっていけるのだろうかと疑問に思い、実際にディナーに訪れます。

やはり、想像通りの高級なディナー。しかし、めちゃくちゃ美味しいわけでもなく、お客さんも少ない。

おかしいなと思っていたところでトイレにいったら、なぜこのお店が利益を出せているのかが判明します。

この章のメインテーマは「連結決算」について。

相乗効果が期待できる2つ以上の事業を行っていくことによる、メリットが触れられています。

その応用として、会社員が週末起業をしたり株式投資をするときに有利になれるワンポイントメソッドにも触れられていました。

エピソード3は「在庫だらけの自然食品店」の話。この章のテーマは「在庫と資金繰り」がメインテーマ。

在庫があるとなぜ損をするのか?という話から始まり、では在庫だらけの自然食品店がなぜやっていけるのかという謎に迫ります。

エピソード4は「機会損失と決算書」が、エピソード5は「回転率」、エピソード6は「キャッシュ・フロー」、そしてエピソード7では「数字のセンス」をテーマにそれぞれ具体例を出しながら分かりやすく解説がされます。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の答えと理由

本のメインタイトルになる「さおだけ屋がなぜ潰れないか?」の答え、潰れない理由を書いてしまします。

当然、ネタバレなので未読で読んで確認したいなって方はここは飛ばしましょう!

なんで潰れないかという理由ですが、1つは「2本で1000円のさおだけ」は客寄せ用の商品であり、実際は買おうとすると5000円の良いさおだけをすすめられたり・・・

あるいは、家の修理など10万円以上の高額商品を仲介されて、その紹介手数料によって利益を得ているさおだけ屋が存在するという話。

もう1つは、さおだけ屋というのは実は金物屋などすでに別の実業のあるお店の人がやっていて、注文をお客さんの家まで届けるついでに、さおだけ屋をやっているという話。

お店からお客さんの家までを往復するのであれば、その間にさおだけ屋をやって、売れればラッキーだし売れなくてもどうせ車での移動はするものだからなんの損失もありません。

さおだけ屋として、それだけで稼ごうとすると人件費やガソリン代など経費がかかってしまい、元をとるのが難しくなる可能性があります。

でも、もともとの金物屋の仕事のついでにやるのであれば、経費がかからないのでお得というわけです。

つまり、1つは高額商品を売ることで売上を上げることができるということ。
もう1つは経費を少なくすることで、売上が少なくても黒字にできるということ。

そういった、さおだけ屋の潰れない理由を会計的に分析することで、効果的な企業経営の戦略も学べてしまうという1冊だったのです。

ほかの章もこのように、「なぜ、そんなことがおこるのか?」のエピソードが最初に紹介されて、それを会計学的に切り込んで謎を解いていくという方式です。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の書評

主な内容は上記のとおりなのですが、この「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」は単に会計学の知識を学ぶだけに終わらず、その知識を活かしてどう自分の仕事に活かしていけるのか?

という実用的なメソッドまで提案しているのが、凄いところだなと思いました。

例えば、エピソード5では「回転率」について扱うのですが、その応用として人脈作りの話が出てきます。

回転率を高める話から、リピーターの話に広がり。

人脈作りというのは、名刺交換をして知人の数を増やすだけでは意味がなくて、それよりも少ない人でも背後にたくさんの人がいる人とじっくり付き合って仲良くなったほうが結果的に多くの人と良い関係ができる。

そんな、人脈作りのコツまで提案されています。

エピソード3の在庫と資金繰りの話では、企業の商品の在庫だけではなくて、自宅に置いてある洋服などの物に関しても「使わないもの」=「在庫」とみなし、在庫があることの弊害を説いています。

結果的に自宅にある在庫も、捨てたほうが長期的に見たら得であるという話になるようです。

会計学の基本がすーっと入ってくるので、「会計学って興味があるんだけど難しそう!「会計学の本を読んだけど挫折しちゃった」って人は、改めてこの本を読んでみると会計学を学ぶ導入になりそうです。

普通に知識として知っておいて役立つ話満載なので、読んだことなかったり、昔読んだけど内容忘れちゃったって方は読んでみると面白いかも。


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