「才能の正体」で学んだ教育とマネジメントの違いとは?
ビリギャルこと「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の書籍をミリオンセラー書籍にした坪田さんの新刊です。
元々学習塾を経営されていた坪田さんですが、現在は著者としての活動のほか、人材育成・組織構築の専門家として社会人向けの教育を行っているのですね。
そんな坪田さんは「才能」に関する本を何冊か出しています。
2016年、2017年とエニアグラムに関するタイプ診断系の本を出版されていますね。
2018年に出版した「才能の正体」はタイプ診断本でこそありませんが、個々人の才能を伸ばしていくための全体的な考え方がまとめられています。
子供の教育はもちろん、大人が自分の才能を発揮していくためにもおおいに役立つ1冊だと感じました。
そこで、「才能の正体」から学んだ才能を活かすポイントを3つ紹介します。
「才能の正体」で学んだ教育とマネジメントの違い
「教育」と「マネジメント」の違いを理解しないことで、指導方法を誤るから伸び悩んでしまうという話。
今、やっていることがどちらなのか分からず、「教育」が必要なのに「マネジメント」をしてしまったり、逆に「マネジメント」が必要なのに「教育」をしてしまうと効果が薄れてしまいます。
まず、何かをしたい場合は「なぜ、やるのか?」を理解した上でやらないと、やり始めることができないというわけですね。
このあたりは性格として、やりたいと思ったことはすんなりやれるというタイプの人もいるとは思います。
人それぞれのモチベーションのスイッチはあると思うので、それが「なぜ、やるのか?」と結びついたときに行動ができるようになるわけです。
そうして、やるべき行動がわかったときに、できるように導いていくのが「マネジメント」なんですね。
一般的なマネジメントの定義と比べたら、かなり噛み砕いてはいますが、とても分かりやすいですね。
さらには、、効果的なフィードバックの仕方も印象に残りました。
言うべきことは、「今日は1時間勉強したね」「○○を覚えたね」「○○は間違えやすいね」という客観的で中立的なフィードバックです。
会社であれば、「今日も笑顔ですね」「いつも頑張ってるね」「今日は白いシャツなんですね」「今日はこれから社長が来るけど、君は一番上座に座っているんだね」といった具合。(才能の正体より引用)
ここはマネジメントのコツですね。
「やるべき理由もわかった」「やり方もわかった」それでも、やらない場合は動かないことにフィードバックするのではなく「事実」に関してフィードバックをするということ。
あとは、その事実に対して相手が必要性を感じていたら修正をかけて行動を変えていくことができるということですね。
アドラー心理学でも似たような考え方で相手に接していた気がします。
自分の思ったとおりに相手に動いてもらえたら楽だなと感じることはあると思います。
まして、自分の子供であればなおさらコントロールしたくなるのかもしれません。
しかし、アドラー心理学では相手の課題に対して必要以上の介入はしないのが原則です。
アドラー心理学に関しては「ストレスを減らす方法は「人は変わらないもの」だと思うことだった」の記事にも書きました。
blog.shinichiromoriya.com
「やればできる」ではなく「やれば伸びる」
「才能の正体」の中では「やればできる」という言葉を「結果至上主義」として注意すべき言葉だと書かれています。
「やればできる」という思考は裏返せば「できないのであれば、やらない」ということにもなってしまうわけですね。
「やればできる」と言われても、モチベーションにつながらない人は、そこで言っている側と言われている側の感覚に違いがあるのかもしれません。
では、どう考えればいいか?
才能を伸ばしていくためには、行動することは必要です。
勉強にしても仕事にしてもスポーツにしても、自分の選んだ分野について知識や実績を深めたり積み重ねたりする必要があります。
「できない!」と思うかもしれませんが、やったら伸びていくと考えることが大切ということですね。
伸び悩んだときにすべきこと
壁にぶつかってしまうと、伸びが鈍化します。 そういうときに必ず抱くのは「もうこれ以上は無理なんじゃないか」という気持ち。しかし、その壁を突き抜けないと、あなたの〝尖り〟にならず、才能として結実しません。(才能の正体より引用)
「やれば伸びる」ということで行動をしていったら、ある程度のところまでは伸びていく場合が多いと思います。
しかし、やっていると伸び悩むこともあります。そんなときにはどうすればいいでしょうか?
才能を発揮するということは、ある分野で「尖り」を持っていることです。
その「尖り」は伸び悩んでいたら作ることができませんよね。
そのためのヒントも「才能の正体」の中には書かれていました。
ある程度できるようになったら、応用することを考えたくなりますが、そんなときこそ「基礎」に戻ってやり直しをする。
それが壁を突き抜けて「尖り」を作っていくヒントになるということです。
どんな分野にも基本になることはありますよね。そこを徹底してやっていくという非常に地味ではありますが、才能を活かしていくというのは、そんな当たり前のことを着実にやっていくことで磨かれていくものなんだなと感じました。
そして、その地味な努力をやり続けることができるのも、「なぜ、そのことをするのか?」「どうやって、努力をするのか?」という知識にあたる部分があるから、普通なら諦めてしまうところを継続させることができる「教育」の力なんだろうと感じました。
本物の「教育」の力は偉大なものですね。