「城持ちポジション」は再現性が低い byフリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法
山田竜也さんの「フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法」(日本実業出版)を読んだ。
やはりフリーランスの身としては気になるタイトルの1冊。
一言でフリーランスと言ってもいろんな働き方があるのですが、共通して使えそうな考え方も「47の方法」の中にはたくさん書かれていました。
その中でも、印象に残ったのは『「城持ちポジション」はいちばん再現性が低い』の一言です。
「城持ちポジション」というのは、特定分野のカリスマとして、コアなファンを獲得しているフリーランスのことを言います。
ブロガーだったり、SNS上でインフルエンサーとして影響力を持っている人が多いですね。
ネット上で情報収集をしていると必然的に目立ってくる人たちなので、フリーランスを目指すならこの人たちみたいにならなきゃいけないんだ。
って思っちゃう人も多いと思います。
というか私自身最初はそう思ってましたし、そもそもそれしか知らなかったですからね。でも、本書に紹介されているとおり、
『城持ちモデルで成功している人は、フリーランスの全体人口の中ではかなり少数派です。成功している人の足もとには、挑戦してうまくいっていない人の屍が山のように積み重なっているのが現実です。』
とありました。たしかにそんな気はします。
城を持つためにブログやSNSで発信を始める事自体、それほど金銭的なリスクがあるわけではないので、うまくいかなくてもそんなに問題はないので挑戦すること自体は良いと思います。
ただ、「挑戦したけどうまくいかない人が多い分野である。」ことは、知っておいたほうがいいことかもしれません。
「城持ちポジション」を目指す人で、うまくいかない人は私から見たら、勉強不足だったり、作業量が絶対的に足りてないなって人も多いですが、そもそも適性がない人もいます。
そういう人はフリーランスは無理なのかというと、そんなことは全然なくて本書の中では、
・特定の分野で高いスキルを身につけ、それを武器にして仕事につなげている「職人ポジション」
・相談を受けて、悩みを整理、解決していく中で仕事につなげていく「相談役ポジション」
がフリーランスでうまくいくポジションとして紹介されていました。
また、3つのポジションはそれぞれどれか1つのみを選ぶ必要もなく、むしろ得意なポジションを伸ばしつつ残りのポジションの要素も含めていくのが良さそうです。
職人ポジションとしてスキルを高めつつ、相談役にもなり、自分自身で情報発信をすることでも仕事につなげていくことを並列で進めることもできます。
ちなみに、年収1000万円以上あり、かつ稼ぎ続けているフリーランスの人は「職人ポジション」と「相談役ポジション」の両方に当てはまる人が多いとのことです。
発信者として影響力を持とうとするのも1つの戦略ですが、それ以外の道を極めてフリーランスとして稼ぎ続けることができると知るだけでも、気持ちが軽くなる人もいるのではないでしょうか。
一方で、「職人ポジション」を目指しつつ、そこまで卓越したスキルがないんだよなって場合でも、相談役ポジションとして信頼関係をしかるべき人と構築していけば、仕事はとることができるとも言えます。
フリーランスとして今後も稼ぎ続けたい、あるいは稼げるフリーランスになるイメージをつかみたい会社員の方にはおすすめの1冊です。