「NHKから国民を守る党」の研究
えらいてんちょうこと、矢内東紀さんの著書『「NHKから国民を守る党」の研究』を読んだ。
ネット上ではえらてんさんと呼ばれていますね。
イベントバー「エデン」をフランチャイズ展開する経営者であると同時に、YouTuberとしても活躍しています。宗教ネタなどが人気コンテンツのようです。
一時期、私もえらてんさんのYouTubeはよく見ていましたが、あまりにも批判の発言が多いので、ここ一ヶ月くらいはやや距離を置いて見ないようにしていました。正直、見ていて嫌になります。
一方で、独自の視点から世の中に切り込んでいく姿勢は、興味深くもあります。
そして、「NHKから国民を守る党」の立花孝志さんのYouTubeも一時期見ていました。
興味を持って見ていた、えらてんさんが「NHKから国民を守る党」を語る本を出すということで、発売が決定したらすぐに予約。
12月になってようやく届いたので要約と感想をまとめてみます。
立花孝志さんとはどんな人なのか?
本書の第一章では、「NHKから国民を守る党」の党首である、立花孝志さんはどんな人なのかが語られています。
多くの党員が所属する「NHKから国民を守る党」ではありますが、事実上立花さんが独裁をするワンマン運営の政党です。
N国党を知るなら、立花さんのことを知る必要があるというのは間違いありません。
立花さんが学校を卒業して、NHKの職員となり、その後退職してパチプロとなり、YouTuberとなり、議員に至るまでの概要がまとめられています。
本書の一貫して伝えていることとして、立花孝志さんおよび「NHKから国民を守る党」は危険性を持った人物、および団体であるということです。
立花さんのYouTubeを見ていると、とにかく次から次へと新しいことを始めて、面白いなというのがいち視聴者として感じるところです。
立花さんに限らずYouTuberというのは、そうしてどんどん新たなエンターテイメント要素を盛り込みながら発信していくことが、人気を獲得するためには必要になるものです。
だからこそ、しゃべるのがうまい人、独自の考え方を持っている人は支持を集めることができます。
YouTube活用の可能性について
YouTuberでもある、えらいてんちょうさんならではの視点として、YouTuberとしての立花さんについて解説をされています。
この立花さんの活動と「NHKから国民を守る党」の躍進を見る限りでは、YouTubeという媒体の可能性を思い知らされます。
無名の人であっても、検索や関連動画などから動画再生数を増やすことができ、接触頻度を増やして視覚と聴覚両方から訴えかけることでファンが増えていく。
それが、ほとんど無料でできてしまうというのが凄いところです。
たしかに立花さんは頭の回転が早くて、しゃべりもできる人だからこそ、YouTubeに向いていたというのはあります。
本書からの引用になりますが、ここがポイントですね。
YouTubeは大きな可能性を持った媒体ではありますが、「喋り続ける能力に長けている人」に有利な媒体ではあります。
トーク力が弱い人だと、もちろん編集などを入れることでYouTubeを活用していくことはできるでしょうが、その分クオリティを上げていく労力がかかります。
編集ほとんどなしの一発撮りで、ある程度のクオリティの動画が作れてしまう人であれば、それこそスマホ一台あれば見るに耐える動画を量産することができます。
この手軽な発信を継続して、YouTubeを通して集客と信頼構築ができてしまう仕組みというのが本当に革命レベルで凄いことなのです。
正直、私はYouTubeに一発撮りで動画を上げられるほどトーク力があるわけではないので厳しいのかなとも思いますが、これだけの可能性がある媒体ですから、どこかで活用していったほうが良いとも感じます。
他団体、人物との比較
第三章では山本太郎さんの「れいわ新選組」、オウム真理教、ナチスドイツ・ヒトラー、余命三年時事日記、トランプ現象、連合赤軍、毛沢東の文化大革命、イスラム国「グローバルジハード運動」などと比較してN国党との共通点や違いが語られています。
まさに『「NHKから国民を守る党」の研究』という本のタイトルにふさわしい、研究結果とも呼べる章になっています。
結論としては、立花さんやN国党はオウム真理教でもヒトラーでもありません。
ただし、その共通点が一部あるという点で、方向性を間違うと世の中を悪い方向に動かす可能性がある。
それを指摘した章だと言えます。
エンターテイメントと洗脳
多くの人はYouTubeをエンターテイメントとして活用しています。
私の4歳の子供ですら、YouTubeを見せると延々と見続けます。
ちょっとやばいと感じたので、今は動画を見せるのは辞めさせています。
しかし、大人になったら大丈夫かと言われたら、決して大丈夫ではないのです。
動画というのは音声、画像、テロップがある場合は文字という、情報がとにかく入ってきやすい媒体です。
ブログであれば、能動的に読もうと思わないと情報が得られません。
一方で、YouTubeであれば、ただ眺めているだけで情報が入ってきます。
しかも、文字による言語情報だけではなく、しゃべる人物の声、動き、そのすべてが情報として入ってきます。
さらには関連動画として、1つの情報に触れたら、次々と似たような情報に長時間触れることになりかねません。
それは楽しいものではありますが、ハマり続けることの危険性は考えないといけません。
単に時間を浪費しているだけならまだ良いかもしれません。
特定の人物のYouTubeを見続けることで、その人の思想に染めることは決して難しいことではないのです。
その思想が良いものであるとも限りません。
楽しいので、ついつい動画を見てしまいますが、単に視聴者として見るだけではなく、最終的には発信者として発信する側にまわることで、得られるものは多い。
そんな、エンターテイメントとして優れていつつも、洗脳ツールとしても使えてしまうYouTubeの可能性と危険性を、本書を通じて改めて感じました。
情報発信者としては、このYouTubeというツールは発信に活用しない手はありません。
特に、しゃべるのが得意な方は、これほど心強い発信ツールはないと行っても過言ではないでしょう。
「最近話題のN国党ってどうなの?」という方にはおすすめです。
なお、本書の補足として著者のえらてんさん(矢内さん)および、N国党の党首である立花さんのYouTubeチャンネルは合わせてチェックしておくことで理解が深まることでしょう。
えらいてんちょうさんこと矢内東紀さんのYouTubeチャンネル
www.youtube.com
立花孝志さんのYouTubeチャンネル
www.youtube.com